ぼのすけのボツエッセイ 230代最後のバースディ2004年7月12日、私は39才になった。 この年になると、誕生日なんてうれしくない。40代=オバタリアン、そんなイメージがあるので、今年はなおさらだ。来年のことなんて考えたくもない。 そんな私の気持ちに関係なく、我が家恒例バースディパーティが、開かれようとしていた。 いつもなら、学校から帰るなりランドセルを放り投げ、飛び出して行ったまま暗くなるまで帰らない小5の長男。でも今日は、友達の誘いも断って、サッサと宿題も片付けてしまった様子。 今夜のディナーは、彼が作ってくれることになっている。休日に夫と買出しに行って、メインのハンバーグは下ごしらえ済みだ。さらに、家庭科で習ったばかりの、野菜料理3品も作ってくれるという。 「キャベツ、もっと細かく切ったら?」 「なべは、こっちの大きい方使って!」 ついつい口出ししてしまう私に、 「母ちゃんは、向こうで座っていて!」と一喝。 兄のはりきりぶりに対抗するように、小3の長女もケーキを作ってくれた。3才の次女まで、チョコやフルーツを飾る助手をしている。 普段は遅い夫も、この日ばかりは早く帰宅し、ささやかなパーティが始まった。 おいしいフルコースと、子どもたちが考えたプログラム(歌に踊り、手品やお笑いまである)、そして手作りのプレゼント(木工・・・夫と子どもたちが、私に内緒で用意してくれていた!) 決してお金では買えない贈り物・・・心の底から、幸せだなあと思えるひととき。 親から子へ、子から孫へ・・・ずっと続いてほしい、我が家ならではの伝統行事。 オバタリアンまっしぐらでもかまわない。来年の誕生日もキリンの首で待っている。 2004.11.14 *このエッセイは、とある公募に応募して、ボツだった(落選した)ものです。 ジャンル別一覧
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